一般に鉄鋼材料の疲労限度は,引張強さの1/2又はビッカース硬さHVの1.6倍といわれているが,球状黒鉛鋳鉄の様に材料中に大きな欠陥が存在する場合,引張強さのみでは評価できない場合がある.欠陥を矩形近似し,その面積平方根を√areaとし,基地組織のビッカース硬さを考慮することで疲労限度を高い精度で推定できる推定式が提案されている.一方,鋳造品に内在する欠陥の検出は,高精度のX線CTで内在する欠陥を検出することが可能で,同様の手法で疲労限度を非破壊的に予測できる可能性をしめした.本手法は疲労試験を行うことなく球状黒鉛鋳鉄を構造材料として用いるための実用的な疲労強度評価方法となり得ることを示した.
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