超臨界二酸化炭素のもつ安全性、拡散性、溶解性を利用し、機能性有機物質を無機酸化物ナノ粒子に化学修飾させた生態適合性ナノコンポジットの前駆体の創製プロセス開発・設計において必要不可欠な化工物性と生成ナノ粒子の機能性との関係を究明した。超臨界二酸化炭素下で、安息香酸及びステアリン酸を可塑化・膨潤させて、無機酸化物ナノ粒子表面に化学修飾させたナノコンポジットを創製した。超臨界二酸化炭素状態下で、安息香酸及びステアリン酸が融点以上の溶融状態の条件下において、無機酸化物ナノ粒子表面の水酸基と安息香酸及びステアリン酸のカルボキシル基によりエステル化する反応場の温度・圧力条件範囲の指針を明らかにした。超臨界二酸化炭素状態での無機酸化物粒子表面で安息香酸及びステアリン酸との反応機構、生成したナノコンポジットとの表面形態をナノ粒子表面での反応過程をナノ粒子表面の赤外吸収スペクトルを基に、粒子表面での官能基の結合状態を解明した。さらに、ナノ粒子表面処理した粒子表面での安息香酸及びステアリン酸修飾量から、反応温度・圧力と修飾量の関係を明らかにした。 複合ナノ粒子の凝集を制御する目的から、表面修飾した複合ナノコンポジットのもつ機能物性の評価を行った。ナノコンポジット・コロイド系の分子間相互作用を利用した粒子径・分散度、表面電位(ゼータ電位)等の解析により、ナノコンポジットの各種分散溶液中での分散性効果について検討した。以上の得られた知見を基に、超臨界二酸化炭素を用いた有機ー無機酸化物からなるハイブリット材料の創製プロセス開発に求められる、超臨界臨界二酸化炭素下での機能性有機酸の相互作用やナノ粒子表面での反応機構からバルク特性まで明らかにした。
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