研究課題
基盤研究(C)
種々のポリマー素材を構成する繰り返し単位やオリゴマーを対象に、溶媒和構造や分子運動性などのミクロな情報を分子動力学法によって評価した。たとえばスルホベタインやホスホベタインの繰り返し単位を構成する荷電基の近傍における溶媒和構造を解析した結果、アニオン基においては特に強固な溶媒和構造が形成されることが判明した。さらにカチオン基が溶媒分子を束縛する強さは、ベタインの種類によって異なっており、ホスホベタインでは水和構造が支配的であることを示唆した。
化学工学・計算化学
世界的な水不足の深刻化を背景に、膜による水処理システムが急速に普及しつつあるが、原水中に含まれる浮遊物質が膜表面に付着する「膜ファウリング」は、当該分野で解決すべき重要課題と認識されている。そこで本研究は、原水に接触する素材表面の動力学現象を計算化学手法によって検証することを試みた。本研究のアプローチを推進すれば、膜素材を構成する分子鎖の挙動変化が膜ファウリング特性に与える影響を分子レベルで検証できる。