研究課題
常温固体成分である飽和脂肪酸を高濃度で含む低品位廃食油をバイオ燃料として精製・再利用することを目的として、平成30年度は以下の2項目を検討した。第1に、3成分系モデル廃食油を用いた実証試験の準備として、まず蛍光検出器を用いた高速液体クロマトグラフィー(FL-HPLC)の環境を構築した。次に2成分系または3成分系の脂肪酸混合物をそれぞれ9-Anthryldiazomethane(ADAM)試薬と等モルで混合・反応させ、蛍光誘導体化した。ADAM試薬で蛍光誘導体化した脂肪酸を含むサンプルをFL-HPLCで分析し、2成分系および3成分系の脂肪酸混合物でそれぞれ、各脂肪酸の濃度と対応するピーク面積との間に高い相関(R2>99%)を確認した。第2に、3成分系モデル廃食油を用いた実証試験として、不純物を含むオレイン酸の分析をFL-HPLCで実施した。オレイン酸の実サンプルを複数入手し、FL-HPLCによって定量分析した結果、分析した実サンプル中にはオレイン酸以外に2~3種類の炭化水素が混入していることを確認した。オレイン酸の原料・製造工程によっては、オレイン酸以外の不純物が数10%の濃度で含まれている場合があることが判明した。これらの実サンプルを用いて二重円管型装置による融液晶析を複数の条件(冷却速度:0.2または0.5K/min、回転速度:100, 200または300rpm)で実施した結果、当該操作における精製度を示す有効分配因子として0.3~0.5の値が得られ、融液晶析操作によって脂肪酸混合物がバイオ燃料へと精製されていることを確認した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 4件)
International Journal of Adsorption
巻: in publication ページ: 1-6
10.1007/s10450-019-00042-4
Asia-Pacific Journal of Chemical Engineering
巻: 13 ページ: e2175-e2180
10.1002/apj.2175