本研究では,液滴径(0.1~100 μm)と液滴の階層構造が任意に制御可能な単分散複合エマルション調製法の開発を目指している.より具体的には,複合エマルションのなかでもダブルエマルションにターゲットを絞り,マイクロフルイディック技術で調製する液滴径の大きな(液滴径100μm以上)ダブルエマルションを,規則的な細孔構造を有する膜で処理するという新しい技術を開発すること,さらにこれをテンプレートとした機能性微粒子調製技術を開発することを目的としている. 最終年度となる平成30年度は,平成29年度までに得られた成果を基に,規則的な細孔構造を有する多孔体を膜と見立てたPDMSマイクロ流体デバイスの構造の最適化を図り,これまで以上に精度よくダブエルエマルション液滴の分裂を制御することに成功した.その一例として,ダブルエマルション液滴が分裂前に楕円形に圧縮されるような流路構造を設計することで,2つの体積が等しいダブルエマルション液滴へ分裂する確率を向上させることができた.また,流路分岐点のディメンションとダブルエマルション液滴径の比の値も,等体積分裂に大きな影響を与えることが明らかとなった.さらにこれらの成果を踏まえて,複数の流路分岐点を直列に配置した規則多孔体を作製し,ダブルエマルション液滴を複数回分裂することにも挑戦した.その結果,1つのダブルエマルション液滴の分裂を繰り返し,8つの小さなダブルエマルション液滴を作ることなど,高度な分裂制御を実現することができた.
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