希土類元素のなかで,Y(III)カチオンからなる層状水酸化物(Y-LRH)を合成し,長鎖アルキルカルボン酸アニオンをピラーゲストとして導入し,層間隔の精密制御を施した触媒を設計した.層間隔を制御した触媒を用いて水溶媒中でのクネベナーゲル縮合反応を行ったところ,酢酸アニオンを導入したY-LRH触媒(C2/Y-LRH)が特異的に高い触媒活性を示し,有効な固体塩基触媒として機能した.時分解放射光粉末X線回折(SXRD)結果より,高活性が発現した要因は反応溶媒により極めて迅速な層間隔の拡張であると考えられる.得られた触媒は,高い活性を保持したまま再使用が可能であった.
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