アルケンの活性化が可能な固体ソフトルイス酸触媒の開発を目的に、ビニル基交換反応をモデルとして、種々の担持金触媒を検討した。担体スクリーニングの結果、CeO2-ZrO2が最適であり、直径2 nm以下の金クラスターを担持したAu/CeO2-ZrO2を用いると、既報の均一系金触媒と同等の結果を助触媒なしに得ることができた。また、Au/ハイドロキシアパタイト(HAP)が強い金属―担体相互作用(SMSI)状態にあると、SMSIでない場合よりもアルケンの反応において、よりも高い触媒活性を示すことを見出した。粒子径は同じことから、SMSIによって金のカチオン性が増大し、触媒活性が向上したと考えられる。
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