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2016 年度 実施状況報告書

S-アデノシルメチオニン依存酵素を活用した有用物質生産プラットフォームの 開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K06864
研究機関北海道大学

研究代表者

佐藤 康治  北海道大学, 工学研究院, 助教 (30360928)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードS-アデノシルメチオニン / メチル基転移酵素 / 補酵素 / 葉酸 / 代謝工学
研究実績の概要

近年、合成生物学的手法を代謝工学へ応用することで、微生物を用いて生産可能な化合物種が飛躍的に増大している。今後は、複雑な化学構造を持つ天然化合物、さらには非天然化合物を生産可能なレベルまで拡張することが望まれる。
これまでの研究は化合物の主骨格形成に主眼がおかれていた。しかし有用化合物の多くは化学修飾を受け、その本来の機能が発揮されるものも多数存在する。修飾酵素の中でもS-アデノシルメチオニン (SAM) を補酵素とするSAM依存酵素は多種多様な反応を触媒することが知られており (Struck AWSら、ChemBioChem (2012) 13:2642、Broderick JBら、Chem. Rev. (2014) 114:4229)、物質生産への応用が期待される。SAM依存酵素は、メチル基転移酵素とラジカルSAM酵素の2種に分類される。メチル基転移酵素は、鎮痛剤モルヒネ、神経伝達物質アドレナリンや香料バニリンなどの生合成に関与している。他方、ラジカルSAM酵素は、様々な化合物のC-C、C-NおよびC-S結合形成を触媒する。このように何れも生産物の多様性の拡張において重要な酵素である。
これまでのSAMに関連した報告は、その発酵生産に関するものだけであり、SAMを利用した効率的な物質生産については報告がない。そこで本研究ではSAM依存酵素を活用した有用物質生産プラットフォームの開発を目的とした。SAM依存酵素の利用を実現するにはSAM供給系と再生系が必須である。そこで本年度は、文献情報やゲノムデータベースを活用し、それらに関与する遺伝子を選定、大腸菌等からクローニングした。同様に、有用物質生産に利用可能なSAM依存メチル基転移酵素を選定し、PCRや遺伝子合成にて取得した。以上のように本研究を進めるためのベースとなる遺伝子をすべて取得した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定通り、SAM依存酵素の利用を実現するために必須なSAM供給系と再生系に関与する遺伝子を文献情報やゲノムデータベースを活用して選定し、そしてその遺伝子をクローニングした。同様に、有用物質生産に利用可能なSAM依存メチル基転移酵素を選定し、PCRや遺伝子合成にて取得した。以上のように本研究を進めるためのベースとなる遺伝子をすべて取得した。以上のように本研究を進めるためのベースとなる遺伝子をすべて取得した。
さらに、今回選定したSAM依存酵素の生産物を入手し、HPLC分析条件を検討している。

今後の研究の推進方策

既得の遺伝子を用い、大腸菌内で実際に機能するか検証する。効果が認められない場合は異なる微生物等から代替遺伝子を探索し評価する。
今回選定したSAM依存酵素の生産物を入手し、HPLC分析条件を決定し、評価系を確立する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件)

  • [雑誌論文] Enhanced production of polyunsaturated fatty acids by enzyme engineering of tandem acyl carrier proteins2016

    • 著者名/発表者名
      Shohei Hayashi, Yasuharu Satoh, Tetsuro Ujihara, Yusuke Takata, Tohru Dairi
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 6 ページ: 35441

    • DOI

      10.1038/srep35441

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり

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公開日: 2021-01-27  

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