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2018 年度 実績報告書

カチオン性コメペプチドの多彩な生理活性と作用機構の解明および健康機能素材への応用

研究課題

研究課題/領域番号 16K06869
研究機関新潟大学

研究代表者

谷口 正之  新潟大学, 自然科学系, 教授 (00163634)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードコメタンパク質 / カチオン性ペプチド / 創傷治癒作用 / 細胞増殖促進活性 / 血管新生促進活性 / 細胞遊走促進活性
研究実績の概要

最終年度は,(A) コメα-アミラーゼの部分配列であるカチオン性ペプチドAmyI-1-18とそのアミノ酸置換体AmyI-1-18(N3L)の創傷治癒作用を明らかにすること,また(B)AmyI-1-18とAmyI-1-18(N3L)の創傷治癒の作用機構を明らかにすること,さらに(C)コメ糠タンパク質の酵素加水分解物から同定した3種類のカチオン性ペプチドの創傷治癒作用とその機構を明らかにすることを目的として検討したところ,以下の結果が得られた。
1.AmyI-1-18とAmyI-1-18(N3L)は,ヒト臍帯静脈血管内皮細胞(HUVEC)に対して,それぞれ細胞増殖促進活性,血管新生促進活性,および細胞遊走促進活性を示したことから,創傷治癒作用を有することがわかった。
2.AmyI-1-18とAmyI-1-18(N3L)の血管新生促進活性は,血管内皮細胞増殖因子(VEGF)レセプター阻害剤の添加によって消失したことから,それらの血管新生促進作用はVEGFレセピターを介して発揮されることが明らかになった。また,細胞遊走促進活性は,細胞増殖阻害剤の添加によって減弱したことから,それらの細胞遊走促進活性は,細胞増殖に伴う遊走の促進に依存していることが明らかになった。
3.コメ糠タンパク質の酵素加水分解物から同定した3種類のカチオン性ペプチドも,創傷治癒活性を有していた。また,血管新生促進作用はVEGFレセピターを介して発揮され,細胞遊走促進活性は,主に細胞増殖を伴わない遊走の促進に依存していることが明らかになった。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 2016

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Wound healing activity and mechanism of action of antimicrobial and lipopolysaccharide- neutralizing peptides from enzymatic hydrolysates of rice bran protein.2019

    • 著者名/発表者名
      M. Taniguchi, K. Saito, R. Aida, A. Ochiai, E. Saitoh, and T. Tanaka
    • 雑誌名

      J. Biosci. Bioeng.

      巻: 128 ページ: 印刷中

    • DOI

      10.1016/j.jbiosc.2019.02.002

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Antimicrobial and anti-endotoxic AmyI-1-18 from rice alpha-amlyase and its [N3L] analog induce angiogenesis and cell migration.2018

    • 著者名/発表者名
      M. Taniguchi, A. Ochiai, T. Namae, K. Saito, E. Saitoh, T. Kato, and T. Tanaka
    • 雑誌名

      Peptides

      巻: 104 ページ: 78-84

    • DOI

      org/10.1016/j.peptides.2018.04.017

    • 査読あり
  • [学会発表] コメ糠タンパク質由来多機能型カチオン性ペプチドの創傷治癒作用とその機構の解明2018

    • 著者名/発表者名
      斉藤 寿槻 , 生江 俊樹, 落合 秋人,田中 孝明,谷口 正之
    • 学会等名
      2018年度日本生物工学会
  • [産業財産権] 生体防御用組成物及びその用途、並びにペプチド2016

    • 発明者名
      谷口正之、落合秋人
    • 権利者名
      国立大学法人新潟大学
    • 産業財産権種類
      特許
    • 産業財産権番号
      第63512268号

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公開日: 2019-12-27  

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