研究課題
昨年度は風や流れの中で一点係留式浮体式風車の挙動を実験的に明らかにした。これを受け本年度は風・波・流れの中での振れ回り挙動を解析できる時系列解析プログラムを構築した。係留索、係留用ブイ、浮体式風車の挙動を連成させる時系列解析プログラムである。風車に生じる風荷重は送風装置を用いて計測を行い、データベース化およびモデル化を行っている。送風試験の結果、鉛直軸周りのモーメントが正面向かい風であっても生じていることが明らかになった。また、係留ブイと浮体式風車を接続する際にベアリング等が必要となるが、これによる反力モーメントも本時系列解析プログラムは考慮されている。時系列解析プログラムはRunge-Kutta-Gill法によって解かれる。昨年度取得した風および流れが共存する場における1/200スケールモデル実験との検証を行った。検証においてSpar型およびSemi-Submersible型の一点係留式浮体式風車モデルを用いた。最初に風だけの試験の時、数値計算の方が少し回頭に要する時間が短くなっていることを確認したが定性的には良い一致を示した。風・流れが共存する場においても定量的、定性的に概ね良い一致を示すことが分かった。特に、Semi-Submersible型の時、流れの速い条件下では、流れに追従してしまうことが実験的に明らかになったが、数値計算においてもそれを確認した。但し、Spar型では流れと風が相対する方向の際には、不安定挙動を実験的に明らかにしたが、本解析法ではその現象の原因については十分に明らかにすることができなかった。
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