研究課題
本研究において,昨年度までに行ってきた小型船舶に設置した簡易AIS局と周辺海域に存在するAIS局の通信モデル化を用い,同時にAIS受信局から得られる巨大な蓄積情報を用いて支援要請情報につながるシステムの機能について評価検討することができた.最終年度の課題となっていた被災地特定を想定したAIS記録データの精度を保持するための影響について,地形,距離,アンテナ高などの物理的な諸条件を考え,AIS記録データの検証を行った結果,山口県周防大島町小松港海域周辺では十分精度を保持できることが分かった.そして,複数の簡易AIS局のデータを含んだAIS受信局から得られる膨大な蓄積情報から必要なデータを抽出・処理し,被災地特定や支援要請情報に繋がるデータを地図化する機能を構築することで,AISデータをG空間情報として捉えた活用方法を提案することができた.また,追加機能として,AIS局で得られる膨大なAISデータの蓄積情報の中から,航跡の特徴を強く含む位置情報を抽出することと同時に,平常時行動以外の情報として利用可能なデータを見つけ出し,支援要請を行う情報として,これらを関連化させる機能を設計した.小型船舶のために簡易AISデータをG空間情報として活用するためには,与えられる処理時間の許容範囲についての調査検討をさらに続けていく必要があるが,本研究において,膨大な蓄積された位置データを含むG 空間情報を活用について提案することができた.
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
2018 International Conference on Broadband Communications for Next Generation Networks and Multimedia Applications, CoBCom2018 (ISBN 978-1-5386-4157-6 )
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