研究課題/領域番号 |
16K06924
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
陳 友晴 京都大学, エネルギー科学研究科, 助教 (80293926)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 岩石試験 / 疲労 / 結晶質岩 / クラック / 顕微鏡観察 |
研究実績の概要 |
長期にわたり徐々に進行する岩盤の劣化メカニズムは、とくに解明の急がれる重要な課題である。そこで、本研究では、長期にわたり繰り返される圧縮応力の変化によってもたらされる岩盤の疲労劣化について、内部に進行するクラックの発生・進展を詳細に観察、解析することにより、疲労劣化に特徴的な劣化メカニズムの理解を目指す。研究期間内に目指す具体的な目標は、工学的に重要な岩種の1つである結晶質岩を対象として、室内試験を行って疲労劣化プロセスを解析し、疲労劣化を促進する構造的な要因を推定することである。とくに、通常の載荷試験ではクラックがあまり進展しない圧縮破壊強度の50-70%程度を最大載荷応力とした条件で岩石の疲労劣化について解析を行い、疲労劣化に特徴的な構造的な劣化促進要因の特定を目指す。本年度は、昨年度に引き続き試験に供する結晶質岩の岩石サンプルの選定を行い、内部状態のばらつきがなるべく少ないサンプルを作成、選定することを行った。さらに、内部の劣化状況を定量的に解析するためのマイクロフォーカスX線CTによる選定試料の撮影などを行った。つぎに、実験における劣化段階の判定について検討を加え、サンプルに貼付したひずみゲージによりひずみ挙動を参考に劣化段階を判定する手法を採用することとし、この手法の高精度化を検討した。これらの手法を実実験において検証の予定であったが、最終的に実験システムの調整が上手くいかなかったことから、試験実施ができず次年度に繰り越すこととした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
試験に供する結晶質岩の岩石サンプルの選定、実験結果のばらつきを抑えるために内部状態のばらつきが少ないサンプルの作成・選定を行った。また、劣化段階の判定を精度よく行う手法の検討を行った。しかしながら、実験システムの調整が上手くいかなかったことから、予定していた試験実施を次年度に繰り越すこととした。 実実験が実施できなかったことから、研究遂行が遅れていると判断せざるをえない。しかしながら、実験後の解析手法は、これまでの研究で概ね確立されているので、これまでの詳細な検討を踏まえて、適当な実験条件を設定し、研究計画を完遂したい。一方、実実験が遅れてはいるが、劣化状況の観察のためのマイクロフォーカスX線CTによる試料の内部撮影が有効である可能性が示唆されたことから、これらの成果も研究の解析に組み込む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、試験中に疲労劣化を判定する基準について様々な検討を行ったが、これまでの基準を明確に改善する手法について、提示することができなかった。今後は、これまで利用してきた基準を含めて、実験を実施しながら改良を行って行く予定である。実験の実施が遅れているが、あらたに劣化状況を観察する手法も有効である可能性が示唆されたことから、H30年度は、疲労試験を実施していく方針である。 疲労試験は、試験を実施するのに長期間を必要とすることから、今後の実験実施については諸条件の精査を行い、順調な研究遂行スケジュールに回復したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)一部の実験システムの調整が上手くいかなかったことから、実実験の試験実施を次年度に繰り越すこととした。 (使用計画)実験・計測システムの調整費用として使用する。また、実験実施にともない、予定した消耗品等の物品で使用する。新しい劣化判断基準のための費用としても利用する。
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