研究課題
これまでに構築した実験系により、大強度パルスパワー発生装置を用いた通電加熱による高密度プラズマ・Warm Dense Matterの生成・計測系による測定および数値シミュレーションによる解析を行った。試料への投入エネルギー評価のため、測定した電圧・電流波形から投入電力を算出し、時間積分することにより、試料へ投入されたエネルギーを見積もっている。本実験系のような高周波・高電圧・大電流・短パルスの高ノイズ環境下で同期の取れた計測は非常に困難であり、専用の計測系の研究開発を含め、設計・製作し測定を行なっている。前年度に再設計し製作し直した電圧計測系を用いて実験を行なったが、さらなる精度の高い計測を目指し、容量分圧器を用いた電圧計測系の試行も行なった。また、電流計測系についても新しく提案されているリニアロゴスキーコイルによる高精度な測定を目指し、回路パラメータの導出や分布定数回路モデルによる回路シミュレーション、設計方法を考案した。再構築した実験系・計測系を用いて、試料の通電加熱を行い、高密度状態の発生・光学計測を実施した。得られたデータを解析し、試料が目標とする温度以上に達することを確認した。一方で、再構成した実験系・計測系によってより精度良い測定が可能になったため、試料の初期形状によるWarm Dense Matterの生成過程・挙動の違いなど、従来は観測できなかった特異な状況が見られるようになっている。合わせて、熱伝導方程式に基づく定式化による試料の加熱・熱拡散を数値シミュレーションにより解析し、実験的には確認できない内部および試料表面付近の温度分布を観測し、試料の密度など実験条件を策定する上で注意すべき点などを明らかにした。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 5件)
Japanese Journal of Applied Physics
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10.7567/1347-4065/ab04a0
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