研究課題
本研究は,極限的に高いベータ値(β~1)を持つことから,高効率でコンパクトであり,また,D-3Heやp-11Bといった先進燃料核融合炉を実現する可能性を有する磁場反転配位(Field-Reversed Configuration:FRC)について,中性粒子ビーム入射(Neutral Beam Injection:NBI)を補完する加熱・電流駆動法として,低周波波動印加の励起とその伝播特性を観測し,加熱特性などを検証することを目的としている。平成28年度までにアップグレードを完了したFRC衝突・合体実験装置FAT-CMは,2つの逆磁場シータピンチ型FRC生成部を持ち,生成されたFRCを秒速400 -500kmで閉じ込め部へ移送,衝突合体させることで,捕捉磁束が大きく,高温・高密度なFRCを生成する装置であり,国内では唯一本グループのみで実施されている特色ある実験課題である。平成30年度は,このFAT装置に対して,前年度までに整備された波動印加用のアンテナおよび駆動用の電源を接続して低周波磁場を印加し,FRC内に低周波波動を励起することで,その伝播,減衰の様子を観測した。この結果,閉じ込め磁場の1~2割という強い振動磁場を印加してもFRCはその巨視的安定性を維持することが確認された。また,内部磁気プローブアレイを用いた計測では,低周波磁場の印加によりセパラトリックス内に波動が励起され,これらの実験結果から,アルヴェン速度で主に軸方向に伝播し,減衰することが確認された。これらの実験結果をもとに,群馬大学等と連携しながら加熱効率やそれを向上する方法等について検証を進めた。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 4件)
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