本研究では、国際熱核融合実験炉(ITER)や原型炉で課題となる、電子加熱が支配的な領域でのプラズマ乱流輸送とプラズマ回転分布の解明、将来の装置でのプラズマ分布予測と運転シナリオ開発を目指し、プラズマ輸送を決めるイオン系乱流と電子系乱流の特性とプラズマ回転分布の相関を、実験的アプローチにより明らかにすることを目的としている。 令和元年度は、平成30年度までに実験及びデータ解析を行った結果に対して、理論モデルとの比較を行った。また、研究協力者が解析したプラズマ揺動データについて考察を行い、これらをまとめて論文を執筆した。現在、共著者間で論文回覧中である。また、欧州の核融合実験装置TCVにおいて、本研究で得られた知見である電子加熱が支配的な領域での運転シナリオ開発実験に関する論文が掲載された。更に、JT-60装置及びDIII-D装置で得られた磁気シアに対するプラズマ分布の結果を基に、ITERや原型炉プラズマに匹敵するJT-60SAでのプラズマ制御性を予測し、第36回 プラズマ・核融合学会年会にて報告した。
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