本研究ではオリフィス下流で生じる配管減肉について、加速減肉実験、流れの可視化実験および濃度場可視化実験を行い、高Sc数物質輸送について解析を行った。オリフィス下流では壁面から数mm離れた流体中の全剪断応力の0.25乗が減肉分布とよく一致することが分かった。速度変動周波数と減肉の相関は見られなかった。減肉速度が大きい箇所では壁面近傍における高濃度流体の間欠的かつ頻繁な巻き上がりが見られた。当該箇所における粘性底層は0.1 mmオーダーと見積もられるが、高濃度流体の巻き上がりは瞬間的に高さ数mm程度まで達し、粘性底層・濃度境界層よりも大きな渦構造のスカラー量伝達への大きな寄与が示唆された。
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