研究課題
地下水環境におけるアクチニド化合物の酸化還元挙動及び化学状態変化を把握することは、放射性廃棄物の適切な埋設処分方法を選定する上で重要である。申請者らは、常温の濃厚電解質水溶液(例えば14M塩化リチウム)中に溶存させたウラニル(VI)イオンが、電解操作によって二酸化ウラン(IV)として合成できることを見出している。本申請では、自然環境で生成が想定される二酸化ウラン・ナノ粒子の生成条件を把握するとともに、ナノ粒子の溶液化学的性質を明らかにすることを研究の目的とする。本申請の研究では、埋設環境で存在が想定されるウラン化合物や環境化学種の酸化還元挙動を電気化学的視点から定量的に評価し、想定される二酸化ウラン・ナノ粒子の生成反応を明らかにする。初年度は、各種原子価のウラン化合物として塩化ウラニル(VI)、四塩化ウラン(IV)、三塩化ウラン(III)をそれぞれ合成することに成功した。2年目には、上述のウラン化合物を用いて、反応溶液中に溶解、電極反応によって酸化還元反応を調査した。還元体を含む有機溶媒を用いてこれらの水溶液と接触させ無電解にて電解析出を試みた結果、電極を用いずに水相と有機相の界面に電析させることに成功した。3年目はこれらの反応条件を詳細に検討した。界面にて水相中のウラニルイオンの還元、有機相中の還元剤による酸化を促進させるために対イオンをしてナトリウムイオンを含む物質を有機相中に共存させた結果、界面における析出反応を促進することを見出した。元素分析付き走査型電子顕微鏡観察の結果100nmサイズの粒子を作成することに成功した。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件)
Progress in Nuclear Science and Technology
巻: 5 ページ: 41~43
10.15669/pnst.5.41
KURRI Progress Report 2017
巻: - ページ: -
Photon Factory Activity Report 2017