出力変動電源の大量導入を見据えて送電容量問題に着目し,送電ケーブルの導体温度に基づく送電容量評価を行った.特に,変動電源により通電電流が従来よりも短時間で大きく変化することに着目し,ケーブル導体温度を推定するための熱等価回路モデルにおいて絶縁体層やシース層の適切な分割数について定量的な考察を行った.さらに,導体部分の発熱量を正確に評価するため,導体部分の表皮効果,近接効果,さらにDC抵抗値の温度依存性を考慮して,導体温度推定に与える影響を評価した.これらの要因を考慮した熱等価回路モデルを構築し,ステップ電流変化を評価した結果,導体温度が上限値に達するまでに1時間程度の遅れがあることを示した.
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