各種排熱や自然エネルギーを蓄熱し,これを必要な場所,あるいは必要な時期に放熱させる「化学蓄熱セルシステム」システムを提案した.本研究ではシステムの中心となる反応粒子充填層内の伝熱速度改善を目指し,粒子間の接触部に伝熱促進材で架橋を形成する方法を検討した.モデル粒子充填層で検討したところ,有効熱伝導率は5倍程度向上し,圧力損失増加は2割程度に抑えられた.充填密度,ガス透過性を維持できる伝熱促進法は過去に無く,画期的である.また架橋形成時の粒子間伝熱を理論的に検討した結果,低い架橋体積分率でも有効熱伝導率が大きく上昇することがわかった.理論上の最大値は,粒子の熱伝導率に依存することがわかった.
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