固体酸化物形燃料電池用電極触媒のナノコンポジット化の研究事例はまだ少ない。また少ない検討事例においても,機構解明にまで踏み込んだ研究・考察はほとんどない。本研究は,既往研究で得られた高性能Ni-CeO2電極触媒の機構解明を根拠に代替物質の提案を行っている点が本研究の学術的な意義といえる。 また、希少な元素を資源量豊富な元素に置き換える元素戦略は資源の乏しい日本においては重要であり、比較的安価な元素や酸化物との間の相互作用やナノコンポジット化粒子の機能に関しては、燃料電池電極触媒の範囲にとどまらず他の反応系の触媒設計に関わる広範囲な分野への波及効果が大きいものと考えている。
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