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2018 年度 実績報告書

脱髄初期におけるミエリン破壊機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07023
研究機関旭川医科大学

研究代表者

吉田 成孝  旭川医科大学, 医学部, 教授 (20230740)

研究分担者 板東 良雄  秋田大学, 医学系研究科, 教授 (20344575)
野村 太一  旭川医科大学, 医学部, 助教 (70756551)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードオリゴデンドロサイト / 脱髄 / クプリゾン / パルブアルブミン
研究実績の概要

マウスの慢性的な脱髄を観察するために銅のキレート剤であるクプリゾンを最終濃度0.25%となるように飼料に添加し、34週にわたり投与した。脱髄の程度をミエリン塩基性タンパク質(MBP)により評価し、神経細胞の数をNeuNの免疫染色により評価した。また、パルブアルブミン(PV)免疫染色も行った。12週間のクプリゾン投与により、脳梁と小脳では脱髄が最高度に達し、34週まではこの時点と同等のMBP染色強度であった。これに対し、線条体ではクプリゾン投与12週に比べ、22週、34週と脱髄が進行した。この結果は脳の部位によりクプリゾンへの感受性が異なっていることを示している。長期の脱髄で神経細胞の変性・細胞死が生じているかを、NeuN陽性細胞数をカウントして検討した。34週のクプリゾン投与にかかわらず、小脳深部核と線条体の神経細胞数の有意な減少は認めなかった。PV陽性細胞は脱髄の影響を受けやすいということが知られているので、PV陽性構造の変化を免疫染色により検討した。小脳深部核ではPVが神経細胞の一部の細胞体に発現しているが、クプリゾン投与により、細胞体での陽性反応が見られなくなったが、神経突起での染色強度が上昇した。mRNAの発現変化をin situ ハイブリダイゼーションで検討したところ、PV mRNA発現はクプリゾン投与前後での変化はなかった。このことはPVタンパク局在がクプリゾン投与により変化したことを示唆している。線条体ではPV陽性の細胞体の染色強度にはクプリゾン投与による変化は認められなかった。しかし、クプリゾン投与により、PV強陽性の軸索構造が出現した。免疫電顕により、PV陽性構造を観察したところ、無髄軸索にはPV陽性構造は認められなかったが、有髄軸索の一部にPV陽性反応が認められた。これは、クプリゾンによるオリゴデンドロサイトの変化により、PV陽性構造の変化が起こったことを示している。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Pathological changes in mice with long term cuprizone administration2019

    • 著者名/発表者名
      Nomura T, Bando Y, Nakazawa H, Kanemoto S, Yoshida S.
    • 雑誌名

      Neurochemistry International

      巻: 126 ページ: 229-238

    • DOI

      10.1016/j.neuint.2019.03.018

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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