「6.N結合型糖鎖/O結合型糖鎖欠損Nicastrin発現細胞とNicastrin失欠細胞の作製」において、15カ所の予測される糖鎖付加部位について、個々にアラニン置換したNicastrinコンストラクトを作製した。しかし、これを細胞に発現させても内在性のNicastrinがあるため、変異導入の結果を反映できない。そこで、Nicastrinの欠失細胞の樹立を試みた。CRISPR/Cas9法によりNicastrin遺伝子にフレームシフトが導入されていることを確認できた。 「7.γセクレターゼの基質選択に関するNicastrin糖鎖修飾部位の同定」において、上記Nicastrin欠失細胞に15種類の各糖鎖欠損Nicastrinを発現させた。その結果、2つの変異体でAb産生が低下し、3つの変異体でNotch切断が向上していた。 現在、これらの変異体発現細胞からγセクレターゼを抽出し、酵素学的にも上記の再現性を検討している。 今後は、「8.γセクレターゼの基質選択に関与する糖鎖同定」や「9.γセクレターゼのC99選択性に関与する糖鎖結合レクチンの探索」を実施する予定である。 昨年度実施した糖鎖付加変異細胞(Lec-1)について、Ab産生とNotch切断の違いやγセクレターゼと各基質の相互作用について、BBRC誌で発表した。
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