研究課題
動物モデルにおいては、両側総頸動脈狭窄モデルの再現性が得られるかを見るため、コントロール群を作成し、虚血作成前、虚血作成後7日、14日、28日にて免疫組織化学的に白質の粗造化、オリゴデンドロサイト系の活性化、BrdUを用いた新生細胞数を確認した。10-12週齢C57BL6マウスを用いることにより、脳梗塞とはならず、白質の塑像化が再現性を持って得られ、さらにはオリゴデンドロサイトも虚血後一過性に上昇し、その後低下することが判明した。Ki67、BrdUを用いた新生細胞数においては、Ki67において14日をピークに細胞数の上昇が得られており、celltypingではオリゴデンドロサイト前駆前駆細胞(OPC)であった。BrdUを投与し2週間後の評価では一部成熟オリゴデンドロサイト(OLG)となるが、手術群ではOPCの割合が多かった。BDNFは14日まで経時的に増加してきており、28日では14日より有意に低下していた。初代培養系においては、既報告にあるような方法でオリゴデンドロサイト、アストロサイト初代培養系が機能するかを確認。そのうえでCoCl2を投与し慢性虚血変化が得られるかを確認した。そのうえでBDNFを投与した。CoCl2によりOPCがOLGに細胞死に至らない濃度においても成熟が抑えられた。BDNFはCoCl2の成熟抑制効果を抑制し、オリゴデンドロサイト系の成熟、髄鞘の形成を促した。また,BDNFのその発生源としてはS100-β陽性のアストロサイトであった.この実験成果をNeuroscience誌に報告した.
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Neuroscience
巻: 406 ページ: 167-175
doi: 10.1016/j.neuroscience.2019.03.004