オリゴデンドロサイトの再生に関しては多発性硬化症研究の分野では報告があるものの,虚血性白質障害の分野においての報告はいまだ数少ない.我々が考案した本研究は,脳虚血領域の中でも慢性期の病態に焦点を絞ることができ,さらにはいまだ有効な治療方法のない慢性期虚血性白質障害の治療に一石と投じれると考えられる.また、その役割機能を解明することは今日,社会的問題にもなっているアルツハイマー型認知症の克服にも発展的臨床応用が可能になると考える.BDNFを代表とするアストロサイトからの栄養因子強化は,白質保護につながるだけではなく,血管性認知症の治療ターゲットになる可能性が示せた.
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