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2018 年度 実績報告書

アルコール依存症における脳内代謝異常による神経機能変化の解析

研究課題

研究課題/領域番号 16K07070
研究機関星薬科大学

研究代表者

芝崎 真裕  星薬科大学, 薬学部, 講師 (80412162)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードEtOH / 依存症 / mTOR / ガラクトース
研究実績の概要

昨年度までの報告において、ethanolの慢性処置により、mammalian target of rapamycin (mTOR)を含有するdopamine神経細胞が特異的に活性化されることを見出した。さらに、mTORの阻害薬であるrapamycinにより、ethanol誘発報酬効果の増強を有意に抑制することも明らかにしている。そこで本年度はエネルギー代謝に着目し、ethanol慢性処置動物を用いて、dopamine神経系の起始核である腹側被蓋野領域におけるアミノ酸や糖質などの変化について検討した。GC/MS/MSを用いて網羅的に解析したところ、ロイシンやイソロイシン、システインなどのアミノ酸において、増加傾向は認められたが、有意な差は認められなかった。一方、糖質についても解析したところ、グルコースやフルクトースなどに顕著な変化は認められなかったが、ガラクトースは対照群に比べethanol処置群において著明な増加が認められた。この増加はethanol休薬10時間および3日後において、対照群程度まで減少した。そこで生体での代謝の変化も考慮し、同条件の肝臓サンプルを用いて検討したところ、脳サンプルと同様にガラクトースはethanol処置群において著明な増加が認められ、アルコール休薬により速やかに減少した。アルコールの代謝時間を勘案すると、この増加はアルコールの直接作用である可能性が考えられる。また、現在までに、ガラクトースの慢性処置によりmTORのリン酸化が亢進することが報告されている。したがって、アルコールの慢性処置は、脳内のガラクトース量を増加させ、mTORの活性化を引き起こし依存症を惹起する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 腹側被蓋野における依存性薬物による活性化細胞の同定と解析2019

    • 著者名/発表者名
      若井涼輔、芝崎真裕、佐藤大介、濱田祐輔、成田道子、葛巻直子、成田年
    • 学会等名
      第92回薬理学会年会
  • [学会発表] アルコールによる脳内報酬系における活性化細胞の解析2018

    • 著者名/発表者名
      若井涼輔、芝崎真裕、岩澤千鶴、青木萌、新井理沙、濱田祐輔、成田道子、葛巻直子、成田年
    • 学会等名
      日本薬学会 第138年会
  • [図書] 依存症における一細胞レベルでの変化2018

    • 著者名/発表者名
      分子精神医学
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      先端医学社
    • ISBN
      978-4-86550-308-1
  • [備考] 星薬科大学薬理学研究室

    • URL

      http://polaris.hoshi.ac.jp/kyoshitsu/yakuri/

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公開日: 2019-12-27  

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