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2018 年度 実績報告書

生理的条件下におけるタウ蛋白質の軸索局在の分子機序の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07071
研究機関同志社大学

研究代表者

渡辺 祥司  同志社大学, 研究開発推進機構, 助教 (80462745)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードタウ / 軸索局在 / 局在化機構 / FRAP / リン酸化・脱リン酸化
研究実績の概要

タウ蛋白質は微小管結合蛋白質の一つであり、微小管を安定化させる重要な役割を担っている。生理的条件下における神経細胞でのタウ蛋白質は軸索にのみ局在しており、細胞体や樹状突起には局在しない。現在までに、タウ蛋白質が軸索に局在する分子機構は明らかにされておらず、それを明らかにするために継続して研究を行なってきた。
これまでの研究により、タウ蛋白質の軸索局在には発現時期が重要な要因であることを見出し、タウ蛋白質の軸索局在の分子機序を解明するための道具として独自の発現系を構築した。この発現系および幾つかのタウの欠失変異体を利用した解析により、プロリンリッチ領域2 (PRR2)が軸索局在に極めて重要なドメインであることを明らかにした。
本年度は、まずタウ蛋白質の軸索局在に関与する新規分子の同定を目指した酵母ツーハイブリッド実験と新規1分子イメージングによりタウ蛋白質の軸索に局在するまでの時系列変化を可視化することを試みた。両実験系は、現在も進捗中であり、詳細な条件設定をすることにより興味深い知見が得られると期待している。つぎに、タウ蛋白質のPRR2が軸索局在にどのように関与しているのかを検討した。PRR2にはリン酸化部位が集中していることに着目し、擬似リン酸化および非リン酸化変異体を作成し、Fluorescence recovery after bleaching (FRAP)により分子動態を解析した。その結果、擬似リン酸化変異体は微小管との結合力が弱く、比較的自由に動くことが出来た。一方、擬似非リン酸化変異体は微小管との結合力が強く、微小管と結合すると殆ど動くことが出来なくなった。この結果から、タウ蛋白質のPRR2がリン酸化・脱リン酸化により微小管との親和性を調節することにより可動性を変化させ、タウ蛋白質が正しく軸索に局在するために重要な役割を担っているのではないかと考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 神経細胞におけるタウ蛋白質の分子動態2018

    • 著者名/発表者名
      岩田実里、渡辺祥司、宮坂知宏、御園生裕明
    • 学会等名
      第91回 日本生化学会大会
  • [学会発表] タウ蛋白質の神経細胞における軸索局在化機構と細胞内動態2018

    • 著者名/発表者名
      岩田実里、渡辺祥司、宮坂知宏、御園生裕明
    • 学会等名
      第37回 日本認知症学会学術集会
  • [学会発表] The study of axonal localization mechanisms of tau in neuron2018

    • 著者名/発表者名
      Minori Iwata, Shoji Watanabe, Tomohiro Miyasaka, Hiroaki Misonou
    • 学会等名
      Society for Neurosience 2018 Annual meeting

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公開日: 2020-03-17  

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