研究課題/領域番号 |
16K07072
|
研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
坂田 宗平 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40528006)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | 非天然アミノ酸 / アセチルコリン受容体 / ゼブラフィッシュ / 神経筋接合部 |
研究実績の概要 |
本研究では生きたゼブラフィッシュの中で、タンパク質の立体構造変化を捉えることを目的としているが、そのためにはまず目的タンパク質の特定部位に蛍光を持つ非天然(人工)アミノ酸(Anap)を導入する技術を確立する必要がある。非天然アミノ酸、Anapを導入するにはAnapを認識するアミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)およびtRNAを持つゼブラフィッシュの系統を樹立し、その後目的タンパク質とAnapを生体内に導入し目的タンパク質にAnapを取り込ませる。系統を樹立するにはaaRSとtRNAをコードするプラスミドを初期胚にmicroinjectionをすることで行うが、うまく胚にプラスミドが導入されたかどうか、また胚が発生しこの形質が次世代に受け継がれ系統化出来たかどうか判別するために蛍光マーカーが必要となる。そのため本年度は、プラスミドに蛍光マーカーを導入し、これをmicroinjectionすることで系統化の確立を試みた。しかしながらAnapの組み込み必要な各遺伝子は次世代に受け継がれず系統化は出来なかった。 またAnapを組み込む目的タンパク質としてアセチルコリン受容体が利用できるかどうか検討するため、過去に組み込みが上手く行った実績のあるXenopus oocyteの発現系を利用してアセチルコリン受容体の様々な部位にAnapを組み込んだ。その結果、ligand 結合部位付近にAnapを導入した際に構造変化に伴う蛍光信号を捉えることに成功した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
非天然アミノ酸Anapを利用できるゼブラフィッシュの系統化はまだ出来ていないが、蛍光マーカーをプラスミドに組み込むことに成功した。またligand 結合部位にAnapを組み込むことで、発現系を利用した実験ではあるが構造変化に応じた蛍光信号を捉えることが出来た。よって、おおむね順調に進展しているとした。
|
今後の研究の推進方策 |
系統の確立を優先的に取り組む。本年度はトランスジェニックゼブラフィッシュを作成することを試みたが上手く行かなかった。次年度はより確実性の高い方法として、最近開発されたゲノム編集を行うことで系統化の確立を試みる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
本年度の計画ではトランスジェニック動物の系統化を完了する予定であったが、系統化が予想外に上手く行かず、系統が確立した後に必要となる測定機器を購入しなかった。よって差額が生じた。
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度、系統化が成功した後に本年度生じた差額分を使用する予定である。
|