研究課題/領域番号 |
16K07094
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
佐々木 宣哉 北里大学, 獣医学部, 教授 (20302614)
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研究協力者 |
岡村 匡史
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 連鎖解析 / 原因遺伝子 / インスリン分泌 |
研究成果の概要 |
新規に発見した糖尿病マウスは、膵島の形態的異常およびリンパ球浸潤は見られず、インスリン陽性細胞数も正常であること、既知の糖尿病やインスリン分泌関連遺伝子に変異が認められず、血中のインスリン濃度が顕著に低くい。本所見からインスリン分泌不全に起因する糖尿病を発症すると推測され、insulin hyposecretionよりihsマウスと命名した。連鎖解析により原因遺伝子座を同定したところ、第18番染色体に座位する単一の劣性遺伝子によって糖尿病を発症することが明らかとなった。この遺伝子座には既知の糖尿病関連遺伝子が存在しないことから、新規の遺伝子産物がインスリン分泌を制御していることが示唆された。
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自由記述の分野 |
実験動物学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
糖尿病の医療費の総額は年間1兆2千億円を超え、国の医療費を圧迫していることからもわかるように、既存の薬物では血糖値のコントロールや合弁症の予防に限界があり、新規の分子標的の発見が求められている。膵β細胞でのインスリン分泌はさまざまな細胞内シグナルによって制御されているが、その詳細にはいまだ不明な点が多い。本研究によって、インスリン分泌を制御する遺伝子やそれが関与するシグナル経路が判明すれば、糖尿病の病態進展機構の解明、予防・治療薬の開発、新規バイオマーカーの開発に役立つことが期待される。これらはヒト糖尿病に共通する分子病態の把握や分子診断、治療法開発への応用が考えられる。
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