研究課題/領域番号 |
16K07100
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
実験動物学
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
土江 伸誉 兵庫医療大学, 共通教育センター, 講師 (00434879)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | うつ病 / 動物モデル / 水迷路学習 / マウス / 行動的絶望 / 発症脆弱性 / 個体差 / エピジェネティクス |
研究成果の概要 |
マウスの水迷路学習場面において、プラットホームサイズの縮小と装置外手掛かりの制限により課題の難度をある一定の水準以上に設定すると、一部の被験体が、適応的な学習を徐々に諦め、顕著な不動反応を特徴とする無力状態に陥ることを発見した。本研究では、この無力マウスのうつ的状態の背景にある遺伝子の関わりについて検討するために、海馬サンプルのDNAマイクロアレイ解析を行った。その結果、Ttr(トランスサイレチン)の発現低下を含むいくつかの遺伝子の発現変化が認められた。つまり、海馬におけるTtrの発現低下がマウスのうつ的状態の誘発に関与している可能性が示唆された。
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自由記述の分野 |
実験心理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で扱ったうつ動物モデルは、遺伝的相同性が極めて高い近交系マウスを被験体としながら、うつ的状態に陥る個体と健常性を維持する個体を並行して得ることができる実験系である。今回、うつ的状態に陥った個体の海馬において発現低下が認められたTtr(トランスサイレチン)は、エピジェネティックなメカニズムの制御を受けて抗うつ効果の発現に関わっていると推測される遺伝子である。つまり、マウスのうつ的状態の誘発には、Ttr等の遺伝子のエピジェネティックなメカニズムを介した変化が関わっている可能性が示唆された。
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