本研究はヒト化マウスを用いた気管支喘息モデルマウスを作製し、抗気管支喘息薬の薬効評価系として利用できるか検討した。喘息誘導に重要なサイトカインであるヒトIL-33をヒト化マウスへ気管内投与し、マウス肺へ集積した炎症細胞の解析および気道過敏性を測定した。その結果、ヒトT細胞、好酸球浸潤や盃細胞過形成、気道過敏性亢進が認められ、重症喘息患者の病態を再現することが可能となった。これら病態は抗ヒトIL-13抗体の投与により顕著に改善したことから、ヒトと同様にIL-13を介したメカニズムが重要であると考えられた。以上の結果から、本喘息モデルは創薬の前臨床評価系として有用であることが示唆された。
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