研究課題
腫瘍局所におけるT Cell Subsetの特徴トータル53症例での切除標本を使用してIHCによるTリンパ球サブセットマーカーのCD3/CD8/CD45RO/Foxp3と同時にPD-L1/HLA class1, AE1AE3の評価とその相互関係の解析、クラスタリング解析を行った。CD3発現の多い症例群(CD3-Hi)とCD3発現の少ない症例群(CD3-Lo)の予後比較を行ったところ、CD3-Hi群はCD3-Lo群と比較して優位にOS, DFSともに良好であった。PD-L1発現に関してCD3-Hi群とCD3-Lo群とで比較し。PD-L1の発現はCD3-Hiで優位に高値である一方、HLA発現は有意差を認めなかった。また、クラスタリング解析でCD3-Hi群はさらに3つのグループにクラスター分けすることができた。Group1はCD8/CD45ROサブセットが高値、Group2はFoxp3発現上昇を認め、Group3は全体のサブセットは低値であった。また、それぞれのGroupの予後が層別化される傾向にあった。TCR repertoire AnalysisCD3-Hi群とCD3-Lo群でそれぞれ5例で包括的TCRを行った。CD3-Hi群では症例ごとでTCRα鎖、TCRβ鎖の増幅のパターンはさまざまで一定の傾向はなかったが、増幅されているVJ recombinationの組み合わせは共通の組み合わせが見られることが明らかになり、TCRα鎖のTRAV|TRAJの共通組み合わせは29種類、TCRβ鎖のTRBV|TRBJの共通組み合わせは52種類認められた。さらに、TRAV|TRAJおよびTRBV|TRBJの共通の組み合わせ中のアミノ酸配列解析まで行ったところ、V regionとJ regionの双方で共通のアミノ酸配列を認める部分もあったが、すべてが共通の配列は認められなかった。
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Annals of Surgical Oncology
巻: - ページ: -
10.1245/s10434-019-07208-y