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2017 年度 実施状況報告書

がん転移における一次線毛の役割の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07138
研究機関愛知県がんセンター(研究所)

研究代表者

佐久間 圭一朗  愛知県がんセンター(研究所), 分子病態学部, 室長 (90402891)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード一次線毛 / 上皮間葉転換
研究実績の概要

1. 肺腺がん細胞の一次線毛発現制御候補遺伝子の同定
昨年度おこなったcDNAマイクロアレイ解析の結果から、肺腺がん細胞の一次線毛発現制御候補遺伝子を複数同定した。その中の10個についてcDNA発現ベクターを肺腺がん細胞株A549に遺伝子導入し、一次線毛陽性率に与える影響を検証した。遺伝子Xを導入した細胞は上皮間葉転換誘導時の一次線毛陽性率の著明な上昇を認めた。

2. 一次線毛発現と転移の相関の生体レベルでの検証
一次線毛は微小な構造物であり細胞あたりひとつしか発現しないことから、組織中での一次線毛の検出は困難が予想された。そこで、条件検討を兼ねて、肺腺がんの臨床検体を一次線毛マーカーARL13Bの抗体で染色し、共焦点顕微鏡で観察した。結果、正常肺組織中に一次線毛が検出されると共に、肺がん細胞の一部にも一次線毛陽性細胞が存在することを確認した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

細胞レベルの研究は順調であるが、生体レベルの研究が遅れている。

今後の研究の推進方策

1. 肺腺がん細胞の一次線毛発現制御分子に関する研究
昨年度同定した一次線毛発現制御候補分子Xの発現制御機構を、特に上皮間葉転換との関係に着目して、細胞株を用いて検討する。また、一次線毛ががん細胞の増殖能、転移能、薬剤耐性などに与える影響を検討する。

2. 一次線毛の臨床相関の検証
肺腺がん臨床検体の免疫組織染色を継続し、ARL13Bなどの一次線毛マーカー、前年度同定した一次線毛発現制御候補分子Xの陽性率と臨床データの相関を解析する。また、Xの発現を操作した肺腺がん細胞をマウスに移植して、腫瘍の生着率、増殖能、転移能に与える影響を検証する。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は少額であり、研究計画に変更は無い。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017 その他

すべて 学会発表 (2件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] HNRNPLL is a novel colon cancer metastasis suppressor that regulates alternative splicing of CD44 during epithelial-mesenchymal transition2018

    • 著者名/発表者名
      佐久間圭一朗、青木正博
    • 学会等名
      第10回NAGOYAグローバルリトリート
  • [学会発表] Phenotypic roles of HNRNPLL in epithelial-to-mesenchymal and mesenchymal-to-epithelial transitions of colon cancer cells2017

    • 著者名/発表者名
      佐久間圭一朗、青木正博
    • 学会等名
      第76回日本癌学会学術総会
  • [図書] がん転移学2017

    • 著者名/発表者名
      佐久間圭一朗、青木正博
    • 総ページ数
      654
    • 出版者
      日本臨牀社
    • ISBN
      00471852
  • [備考] 愛知県がんセンター研究所 がん病態生理学分野 ホームページ

    • URL

      http://www.pref.aichi.jp/cancer-center/ri/01bumon/07bunshi_byotai/index.html

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公開日: 2018-12-17  

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