研究課題
腫瘍促進因子FEATタンパクがほとんどのヒト癌の細胞質で異常に増加し、患者の血中に漏出していることを見出した。この発見に基づいて、血中FEATを高感度で検出して癌化を早期発見し、FEAT活性を阻害する薬剤で癌化を停止する方法論を着想した。FEATの欠失で発癌が抑制されるかを明らかにするために、コンディショナル・ノックアウトマウスを作出する。International Mouse Phenotype Consortium(IMPC)のKnockout-Mouse Program (KOMP) よりターゲティングベクターを購入した。がん研究ネットワークメンバーに対する「個体レベルでのがん研究支援活動」の協力を得て、コンディショナル・ノックアウトマウス作出を試みたが、不成功に終わった。原因はES細胞の質が低いためと考えられた。今年度は、この技術的問題を克服するために、株式会社トランスジェニックに受託し再挑戦した。生殖系列移行効率が高く戻し交配(backcross)の不要なRENKA株のES細胞を用い、相同組換えの起ったES細胞を選別し、凝集法によりキメラマウスを得た。キメラマウスを自然交配し、ヘテロ接合型マウス取得を確認し、凍結胚を保存した。今後、ヘテロ接合型マウスの雌雄を交配してホモ接合型マウスを得る。この発癌モデルマウスとホモ接合型マウスとを交配後に、組織特異的Cre発現マウスと交配することで、種々の組織における発癌が、FEAT欠失で抑制されるか解剖、組織のHE染色、免疫組織染色などで明らかにしたい。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Genes Cells
巻: 23 ページ: 952-962
10.1111/gtc.12644
PLoS One
巻: 13 ページ: e0187878
10.1371/journal.pone.0187878
実験医学
巻: 36 ページ: 3106