研究課題
マイクロRNAはゲノム上にコードされるがタンパク質には翻訳されない20-25塩基長の1本鎖RNA分子であり、標的mRNAの3’非翻訳領域に結合し、標的遺伝子機能を抑制的に制御する。癌の診断、予後バイオマーカーや治療反応予測因子としての有用性が報告されている。本研究では最も臨床現場でアクセスしやすいサンプルであるパラフィン包埋ホルマリン固定(FFPE)切片からRNAを抽出し、癌特異的マイクロRNAにアプローチするものである。本研究において、当初の対象であった胃癌リンパ節に関しては、決定的と言えるような候補マイクロRNAの同定には至らなかった。一方で、近年の消化器癌領域での免疫療法への注目と免疫チェックポイント阻害薬の臨床応用に伴い、腫瘍細胞やリンパ球において免疫チェックポイント分子を介した免疫抑制機構の制御に関与するマイクロRNAに着目する形で研究の方向性を一部シフトした。結果として、免疫チェックポイント分子、PD-L1を制御するマイクロRNAを同定することができ、上述のFFPEサンプルを利用した手法を用いた臨床的検討、さらにマイクロRNAの機能的意義の検証を行った。
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