研究実績の概要 |
ヒトゲノム上に存在する全ての遺伝子をスクリーニング可能であるトランスポゾンを用いて、食道癌に対するシスプラチン、5-FU、放射線耐性遺伝子の新しい網羅的解析に関する研究において、以下のような研究結果を得た。1. 食道癌細胞においてTransposon tagged cellを樹立した。 食道癌細胞株TE4,5,9,15の他に、KYSE細胞株においてTransposon tagged cellの樹立に成功した。2. KYSE細胞株での野生型細胞株がシスプラチンで全滅する薬剤濃度を決定した後、樹立したtransposon tagged cell を用いて、その濃度の薬剤を添加した。CMVプロモーターにより薬剤耐性に関与する遺伝子を過剰発現した細胞はsingle cellとして生き残り、3週間程度培養することでコロニーを形成した。KYSE細胞株についてシスプラチン耐性株を獲得した。3. TE4シリーズで同定された37種類のシスプラチン耐性遺伝子37のうち薬剤耐性と関係のありそうなTRIM16Lに関してReal time PCRにて遺伝子のoverexpressionを認めた。4. TRIM16 overexpression細胞株と野生型細胞株にシスプラチンを暴露し、シスプラチン耐性をMTT assayにて検証し、シスプラチンへの耐性を証明した。5. TRIM16を有する食道癌野生型細胞株からsiRNAにてTRIM16をknockdownし、シスプラチンへの耐性が減少することを確認した。6. マウスxenograftでの薬剤耐性の判定した。食道癌野生株と、耐性遺伝子を導入した治療耐性株のマウスxenograftモデルを作成し、シスプラチンに対する耐性をin vivoにて確認した。
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