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2018 年度 実績報告書

基板吸着を利用したエクソソーム解析法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K07152
研究機関公益財団法人がん研究会

研究代表者

松村 幸子  公益財団法人がん研究会, がん研究所 蛋白創製研究部, 特任研究員 (90414052)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード細胞外ベシクル / がん / 基板吸着
研究実績の概要

エクソソームは細胞から放出された膜に覆われた小胞(ベシクル)で、放出した細胞に由来する核酸、タンパク質、脂質などを含み、これらの情報を細胞間で伝達している。エクソソームを介した細胞間コミュニケーションは、正常な生理的現象および病的現象で広く行われており、がんなどの疾患にも深く関わっていることが明らかとなってきている。エクソソームは体液中に含まれていることから、体液を利用した非侵襲的な診断(リキッドバイオプシー)に利用しようとする研究が精力的に進められている。しかし、一般的な手法で採取された「エクソソーム」には様々なベシクルが含まれており、それらは性質も機能も異なると考えられる。それぞれのベシクルがどのような性質、機能をもつのかを明らかにし、「エクソソーム」を適切に理解、評価することは、エクソソームを診断や治療に有効に利用する上で欠かせない。本研究では「エクソソーム」の基板への吸着を利用してベシクルの性質を見分けることを目的として研究を進めた。
がん細胞株の培養液から超遠心によって「エクソソーム」を回収し、さらに密度勾配遠心によって分画した。それぞれの分画を基板に吸着させ形状の違いを調べた。原子間力顕微鏡で観察したところ、基板上でのサイズおよび変形の度合いが異なるベシクルが存在することを見出した。通常のエクソソームよりも密度の低い分画に存在するベシクルはサイズが大きく、変形しやすく、その結果、サイズ分布が広いという特徴がみられた。この分画のベシクルは、エクソソームよりも表面電位が低く、負電荷性脂質のホスファチジルセリンが多く表面に露出していることがわかった。ベシクルの性質の違いが基板上での変形に反映されており、「エクソソーム」に含まれるベシクルの性質の違いを基板吸着から読み取れることが示された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Subtypes of tumour cell-derived small extracellular vesicles having differently externalized phosphatidylserine2019

    • 著者名/発表者名
      Matsumura Sachiko、Minamisawa Tamiko、Suga Kanako、Kishita Hiromi、Akagi Takanori、Ichiki Takanori、Ichikawa Yuki、Shiba Kiyotaka
    • 雑誌名

      Journal of Extracellular Vesicles

      巻: 8 ページ: 1579541

    • DOI

      10.1080/20013078.2019.1579541

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Exposed aminophospholipids enriched in a subtype of small extracellular vesicles from tumor cell lines2019

    • 著者名/発表者名
      Matsumura, S., Minamisawa, T., Suga, K, Shiba, K
    • 学会等名
      The 8th International Society for Extracellular Vesicles (ISEV) Annual Meeting
    • 国際学会
  • [学会発表] ナノ粒子を利用したエクソソームサブタイプの簡便な検出法の開発2018

    • 著者名/発表者名
      松村幸子、南澤宝美后、市川雄貴、芝 清隆
    • 学会等名
      第5回日本細胞外小胞学会
  • [備考] がん研究会がん研究所蛋白創製研究部ホームページ

    • URL

      http://molcraft.org

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公開日: 2019-12-27  

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