研究実績の概要 |
昨年度は申請者が新規に開発した超低頻度の点突然変異頻度解析法(特願2015-199342)の改良を行い、シークエンシングエラーの少ない領域として解析に用いる領域を15,552塩基に修正した。さらに口腔、食道がん因子曝露歴のある健常人1例の口腔粘膜から抽出したゲノムDNAについて点突然変異頻度を解析した。 今年度はこの点突然変異頻度解析法が、(1)分子バーコードに比べて変異検出の正確性に劣る(2)テンプレートDNAの正確なコピー数測定を必要とする、点に問題があることから、簡便で低コストである利点を維持しつつ上記の問題点を克服するために、分子バーコード法との組み合わせ(100コピー・バーコード法)を考案、方法として確立するため、ライブラリ作製条件について検討を進めた。その結果、2ngのテンプレートを用いたときに分子バーコード数と1個の分子バーコードあたりのリード数において理想的な結果が得られることが明らかとなった。 今後は改良した方法を用いて、さらに多くのサンプルについて解析し、食道発がんリスクと口腔粘膜の点突然変異頻度との関係を明らかにする。
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