研究課題
遺伝子変異由来のアミノ酸変異を伴ったネオエピトープをターゲットにした腎がん免疫治療を開発することが目的である。東大病院で実施された臨床試験「腎細胞がんに対する樹状細胞ワクチン治療の安全性と有効性の評価」に登録され、腫瘍ライセート導入樹状細胞ワクチンを受けた患者のエクソーム/RNAシーケンスのデータから、我々の構築してきたネオエピトープ予測アルゴリズムにより、候補ネオエピトープを選択し、そのネオエピトープが免疫反応を引き起こすか検証した。腫瘍ライセートに対する免疫反応、予後がわかっているワクチン治療症例を用いてこの検証作業を行うことで、我々のネオエピトープ予測アルゴリズムを更に改良し臨床応用に繋げることが可能になる。これまで、8例の腎がんのエクソーム/RNAシーケンスのデータから、MHC結合予測アルゴリズムにより、候補ネオエピトープを同定しペプチドを合成した。ペプチドに対する免疫反応を、まずはHLA-A2トランスジェニックマウスを用いてスクリーニングした。5例のHLA-A2患者を対象として、HLA-A2拘束性のネオエピトープを121個合成した。これらのネオエピトープぺプチドでマウス脾細胞を刺激し、IFN-gammaの産生を検討したところ、21個のペプチドで強い反応が検出された。その21個のペプチドに対するヒト正常人PBMCの免疫反応を、人工抗原提示細胞等を利用したin vitroのアッセイシステムで検討した。PTEN遺伝子変異由来のネオエピトープに対して反応を認めた。頻度の低いヒト末梢血中のネオエピトープ特異的T細胞が検出可能な培養法とアッセイ法を確立できた。
すべて 2018
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 3件)
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