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2018 年度 実績報告書

癌細胞浸潤を阻害抑制する因子の解明

研究課題

研究課題/領域番号 16K07165
研究機関金沢大学

研究代表者

中村 律子  金沢大学, 医学系, 助教 (20632657)

研究分担者 尾山 武  金沢大学, 医学系, 助教 (00515314)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード乳癌 / 浸潤 / 接着 / NELL
研究実績の概要

本研究ではNeural EGFL like (NELL)という分泌型蛋白質について、癌細胞移動・浸潤抑制に関わるメカニズムを解析している。昨年度はNELL2の正常乳管の筋上皮、そのレセプターであるRoundabout Guidance Receptor 3 (ROBO3) の乳管上皮・乳癌細胞での発現を確認した。乳管での筋上皮と乳管上皮の位置関係から、リガンド・レセプターの反発作用による細胞の住み分けを推測し、NELL2の機能解析を乳癌培養細胞株にて施行した。In vitro での細胞接着を調べるため、全長NELL2蛋白質をコートした培養皿上への乳癌細胞株を撒いたところ、培養皿への接着性はコントロールと比較し低下した。NELL2の各ドメイン(Thrombospondin-1(TSP), N側Cysteine-rich(CR), EGF-like, C側-CR)のみをコートした場合、TSPでは接着細胞数は増加した。これよりTSPは乳癌細胞表面蛋白質との結合に関与していると推測されるが、全長NELL2で生じた接着性の低下の説明がつかない。そこでTSPからN側CRまで、およびTSP、N側CR とEGF-likeまでを含むコンストラクトを作成し同様の実験を施行したところ、後者で優位に細胞接着性の低下がみられた。これより、細胞表面への蛋白質に直接結合するドメインと、その後の接着性低下(反発作用)を誘導するドメインは異なるのではないかと推測した。ROBO3に関してはqPCRにて発現量に差はあるものの、使用した4種の乳癌細胞株で発現は確認された。しかし既報告ではNELL2のEGF-likeドメインがROBO3との結合性を示しており、本研究とは異なる領域となるためNELL2には別のレセプターが存在するのではと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Amplicons in breast cancers analyzed by multiplex ligation-dependent probe amplification and fluorescence in situ hybridization2019

    • 著者名/発表者名
      Ooi Akishi、Inokuchi Masafumi、Horike Shin-ichi、Kawashima Hiroko、Ishikawa Satoko、Ikeda Hiroko、Nakamura Ritsuko、Oyama Takeru、Dobashi Yoh
    • 雑誌名

      Human Pathology

      巻: 85 ページ: 33~43

    • DOI

      10.1016/j.humpath.2018.10.017

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 乳腺組織におけるNELLの発現分布2018

    • 著者名/発表者名
      中村律子、尾山武、大井章史
    • 学会等名
      第107回 日本病理学会総会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

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