研究課題/領域番号 |
16K07182
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研究機関 | 聖路加国際大学 |
研究代表者 |
平家 勇司 聖路加国際大学, 専門職大学院公衆衛生学研究科(公衆衛生大学院), 教授 (90260322)
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研究分担者 |
久保 泰 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 副研究センター長 (10178030)
五島 直樹 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究チーム長 (70215482)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | がん免疫療法 / 免疫チェックポイント阻害剤 |
研究実績の概要 |
研究計画に記載したごとく、既に構築されている3-finger protein libraryの試験官内進化技術を用い、PD-1と特異的に結合する3-finger proteinをスクリーニングし、特定のアミノ酸配列に収斂したことを確認した。具体的には、この選択サイクルを10回実施し、全体のcDNAの36%を占めるcDNAを2種類クローニングした。次にこのcDNAクローンから合成される3-finger proteinの機能アッセイを行うべく、まずその3-finger proteinの大量合成系の構築に着手した。得られたcDNAクローンを鋳型とし、split PCR法を用いて、cDNAクローンの5‘側にSP6プロモーター配列、オメガ配列、コザック配列を、3’側にpoly a take配列を付与したDNAを合成した。そのcDNAを用い、in vitroの転写系にてRNAを合成した。そして、そのRNAを鋳型として、小麦胚芽タンパク合成系にて、3-finger proteinを合成した。しかしながら、2種類のクローンのうち、一方のクローンは十分量のタンパク合成量が得られなかった。RNA合成までは可能であったため、翻訳効率の低いアミノ酸配列を有すると考えられた。そのためtotal 3-finger protein翻訳方法の工夫(小麦胚芽合成系へのdetergentの添加、反応温度など)を検討することに加え、個々のfingerのペプチド(One-finger peptide)を化学合成し、それぞれの機能を調べる方針とした。取得した合成ペプチドは、十分な純度を確保するため逆相カラムによるHPLC精製を行い、ヒトリンパ球を用いたPD-1のin vitro機能アッセイにより候補ペプチドのアゴニスト/アンタゴニスト活性評価を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
6種類のOne-finger peptideをHPLCや質量分析により純度検定したところ、想定以上の副産物や酸化・還元状態の混合が認められたため、精製分離に時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
タンパク質合成系の至適化のための条件検討(小麦胚芽無細胞タンパク質合成系への界面活性剤の添加、合成温度や融合タグの検討、透析法による長時間合成など)を行い、候補となる2種類の3-Fingerタンパク質を調製するとともに、高純度One-finger peptide(6種類)を取得する。これらを用いて、SPR法(Biacore等による測定)によるPD-1との相互作用解析および培養細胞を用いたPD-1/PDL-1アッセイによるタンパク質/ペプチドの生物活性評価を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 研究計画がやや遅れている状況であり、次年度に繰り越した実験があるため。 (使用計画) 次年度に繰り越した実験に使用する物品を購入するため。
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