研究課題/領域番号 |
16K07186
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研究機関 | 兵庫医療大学 |
研究代表者 |
清水 忠 兵庫医療大学, 薬学部, 准教授 (40509022)
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研究分担者 |
長屋 寿雄 兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60464343) [辞退]
大野 喜也 兵庫医療大学, 薬学部, 講師 (40509155)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ナフトピジル / 膀胱癌 / 代謝物 / ドラッグリポジショニング / 中皮腫 |
研究実績の概要 |
本研究目的は、疫学調査から発癌抑制効果が報告され、新たな抗がん剤シードとして注目されるナフトピジル(α1拮抗薬)に着目し、新規な悪性中皮腫治療薬創出を目指すものである。研究代表者はナフトピジルの抗癌活性に注目し、すでに幾つか誘導体合成を開始し、新規ナフトピジル誘導体HUHS1015にin vitroおよびin vivoにおける抗がん作用を見出している。本提案では、さらなる探索合成研究を実施し、新たな抗がん剤を見出すことになる。また、ナフトピジルの抗がん活性に関するメカニズムは未解明であるため、アフィニティ樹脂を用いたターゲット探索も行うことを目的とした。 2019年度では、2018年度までの研究において見出したナフトピジル代謝物HUHS190について抗がん作用を確認する動物実験を実施した。当初の目標としては中皮腫であったが,より高い効果が期待できる膀胱がんにターゲットを絞り検討を行った。HUHS190はin vivo同所移植膀胱がんモデルにおいて既存薬よりも生存率を延長させたことなどが明らかとなったため、医薬化学系の速報誌に発表した(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2020, Article 126744.) 。アフィニティ樹脂については,樹脂固定用の誘導体を合成してターゲット探索を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の目標としては中皮腫であったが,より高い効果が期待できる膀胱がんにターゲットを絞り検討を行った結果,in vivoにおいて効果が見られたことから,報文化を行った(Bioorg. Med. Chem. Lett. 2020, Article 126744.) 。ナフトピジルを基盤として有望な誘導体を見出すことには成功したが,当初の目的となる中皮腫に対しては有望な化合物が見出せていない状況であることから,やや遅れているとした。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度はHUHS190を基盤として構造展開を行い、当初の目的である中皮腫で抑制効果が見られる誘導体の探索を目指す。合成方法、評価方法は既に確立されているので合成と評価を並行しながら目的達成に近づきたいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、膀胱癌モデルの実験に関し当初予定していたよりも少量の化合物で結論が出たため、大量合成に掛る予算分(40万円程度)少なくなったこと、および、アフィニティ樹脂の検討が進んでいないため、当初予定した生物実験分の予算の使用が進んでいないかったためである。2020年度では合成およびアフィニティ樹脂の検討で残予算をすべて使用することを予定している。
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