研究課題/領域番号 |
16K07208
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研究機関 | 公益財団法人かずさDNA研究所 |
研究代表者 |
中山 学 公益財団法人かずさDNA研究所, 技術開発研究部, チーム長 (30370927)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | バイオテクノロジー / ゲノム改変技術 / 部位特異的組み換え酵素 / VCre/VloxP / SCre/SloxP / エピジェネティックス / 修飾塩基 / ゲノムエンジニアリング |
研究実績の概要 |
ゲノム上の塩基修飾を含めたエピジェネティックな状態は近接する領域の状態により影響を受けることが知られている。その解析方法として修飾酵素をDNA領域に固定する間接法は存在するが直接的に特定の場所に修飾塩基を導入する方法は存在していない。ゲノム上の標的となる遺伝子の上流部分に、in vitroで塩基修飾を施したDNAカセットを直接的に導入する実験手法を開発するとともに、5-メチルシトシン等の修飾塩基が近接するエピゲノムの状況からどのように影響を受けるのか、逆に近接領域にどのような影響を与えるのかに関して次世代シーケンサーを用いて解析する手法を開発する。部位特異的組み換えシステムであるVCre/VloxPとSCre/SloxPは、汎用されているCre/loxPやFlp/FRTシステムと認識サイトが異なるためにクロス反応を起こさず、同一細胞内で同時に使用することが出来るように我々が開発した新しい部位特異的組み換え酵素システムである。VloxPサイトとSloxPサイトの両サイトを使用したDual RMCE (組み換え酵素依存的なカセット交換)法を用いて効率的に外来の遺伝子や修飾されたDNAをゲノム上へ直接的に導入する。本年度はCFP1/CXXC1遺伝子の上流部分に修飾塩基を含むDNAカセットを導入するための受け手側の細胞の作製を試みた。効率よくノックインさせるためにCRISPR/Cas9システムで切断を誘導して、相同組み換えを利用して目的の配列を細胞のゲノムへ導入する。CFP1/CXXC1遺伝子の上流部分を切断するためのgRNAプラスミドと、相同領域を両側に配置したVlox-Puro-TK-Sloxのターゲティングベクターを作製し、細胞へ導入した。本手法を開発することで修飾塩基の導入に伴うエピゲノムの変化を細胞1個1個ごとに明確に区別した詳細な解析が可能となることが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通りにCFP1/CXXC1遺伝子の上流部分に修飾塩基を含むDNAカセットを導入するための受け手側の細胞の作製を試みた。次世代シーケンサーMiSeqを用いた解析の予備実験を進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに次年度の計画を進めていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的に予算を執行することができた。また、古くなってしまった備品の買い替えを予定していたが、故障等の問題がなく継続して使用することが可能であったために次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
古くなってしまった備品の故障等の状況を考え合わせて、計画的に有効に使用する予定である。
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