研究課題
(1)DNA複製タイミングとGC含量分布を指標にしたヒト染色体のバンド境界領域のゲノム網羅的な特定ならびに“染色体バンド境界地図”の作成した。具体的には、ヒト由来の神経由来細胞を含む各種細胞系列群について、DNAマイクロアレイを用い、ゲノム全域を対象にした複製タイミングの解析を行った。また、GC含量の区分境界(Isochore border)と複製タイミングの転換を基準にして、各種細胞系ごとに染色体バンド境界を網羅的に塩基配列レベルで特定する。その結果をもとに、各細胞ごとに“染色体バンド境界地図”の作成した。(2)極端に長いシナプス関連遺伝子群や脳神経疾患遺伝子群に着目した細胞系列間での“染色体バンド境界地図”の比較解析を行った。その結果、異なる細胞系列間で、バンド境界のエピジェネティクな位置の変移を起こすことが判明した。ヒト染色体のバンド境界領域は、脳神経機能の分子基盤、神経シナプス機能やその可塑性のメカニズムなどの遺伝学的な分子基盤と密接に関連していることが判明した。
2: おおむね順調に進展している
バンド境界領域を軸としたヒト染色体バンド構造は、脳神経機能の分子基盤、神経シナプス機能やその可塑性のメカニズムなどの遺伝学的な分子基盤と密接に関連していることが判明し、その重要性が明らかになったため。
バンド境界領域を軸とした解析法を駆使して、脳神経疾患遺伝子群におけるトリプレットリピート伸長のゲノム不安定部位と染色体バンド境界領域との関連を検証する予定である。
追加内定のため、詳細な研究情報の収集を行うともに、公開されているゲノム情報を駆使した解析を行ったため。
高等動物のバンド境界領域を軸とした染色体バンド構造は、脳神経機能の分子基盤、神経シナプス機能やその可塑性のメカニズムなどの遺伝学的な分子基盤であることを検証するとともに、脳神経疾患遺伝子群におけるトリプレットリピート伸長のゲノム不安定部位と染色体バンド境界領域との関連解析に使用する予定である。
すべて 2016
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件)
Neuroepigenetics
巻: 7 ページ: 1-6
doi.org/10.1016/j.nepig.2016.08.001
Clinica Chemica Acta
巻: 460 ページ: 40-45
doi.org/10.1016/j.cca.2016.06.008