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2016 年度 実施状況報告書

進行性肺腺がんに対する治療応答性に影響を与える遺伝要因の同定

研究課題

研究課題/領域番号 16K07217
研究機関国立研究開発法人国立がん研究センター

研究代表者

白石 航也  国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (80609719)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードCancer Panel / 体細胞遺伝子変異 / 治療応答性
研究実績の概要

進行性肺がんや術後に再発を来たした患者の多くが白金製剤を含む2剤併用療法を受けるが、治療前に治療効果が分かれば、高齢者や病状が思わしくない患者に対する治療選択になりうる。そこで本研究では、(1) Stage III-IVの進行性肺腺がん症例を対象に診断目的に採取された内科試料を用いて遺伝子変異検索を行い、白金製剤を含む2剤併用療法に対する治療応答性と体細胞由来の遺伝子異常との関連並びに体細胞と胚細胞変異との交互作用の有無について検討する。(2) (1)の情報を基に、外科的手術を受けた早期肺腺がん症例(既取得体細胞の遺伝子変異情報)と比べることで、術後再発・がんの進行度に関わる遺伝子異常の抽出・比較検討を行う。本研究では、化学療法施行前の内科試料を用いて48のがん関連遺伝子のホットスポット変異を検索し、治療応答性や術後再発・がんの進展に関わる胚細胞・体細胞変異の同定を目的とする。今年度は非小細胞肺がん症例の内、内科的試料が得られた239例より、一部DNA抽出を行った。ホルマリン固定された検体は病理学的検討を行う上では優れた保存法だが、年月とともにDNAが断片化し、ゲノム解析には適さなくなる。そこでQubitを用いて、二本鎖DNAがどれくらい残っているかを確認した。実験に供する最低DNA量10ngが得られた182例をCancer Panelの解析対象として絞り込んだ。現在91例についてシークエンスが完了したが、約3割の症例でDNAが不良もしくは腫瘍含量が少なかったため遺伝子変異が検出されなかった。来年度は残りの症例に関して追加で解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究は順調に推移している。今年度は非小細胞肺がん症例の内、内科的試料が得られた239例より、一部DNA抽出を行った。得られたDNA量を測定するため、Qubitを用いて。実験に供する最低DNA量10ngが得られた182例をCancer Panelの解析対象として絞り込んだ。現在91例についてシークエンスが完了したが、約3割の症例でDNAが不良もしくは腫瘍含量が少なかったため遺伝子変異が検出されなかった。研究計画どおり来年度も引き続き残りの症例に関して解析を行い、100例以上の症例を用いた治療応答性と遺伝子変異との関連について検討を行う。

今後の研究の推進方策

本研究では、進行性肺腺がんに対する治療応答性や術後再発・がんの進展に関わる遺伝要因の同定を目的とする。まずは、内科試料由来DNAを用いて、48のがん関連遺伝子の変異の検索と検出された体細胞遺伝子変異と白金製剤を含む2剤併用療法に対する治療応答性との関連解析を行い、今後は得られた体細胞遺伝子異常のうち治療応答性に対するTP53遺伝子変異とTP53遺伝子多型との交互作用の検討を行う。以上の解析を通して、治療効果が得られやすい集団を選出することができ、より多くの治療が受けられる機会を患者さんに提供することができると考えられる。本研究を通して、治療応答性やがんの進展に関わる体細胞変異の探索とさらに胚細胞系列の遺伝的多様性との交互作用についても検討していく予定である。

次年度使用額が生じた理由

今年度、海外出張予定であったが、次年度以降に海外発表等を含めた海外出張を行うため、その予算を次年度に繰り越した。

次年度使用額の使用計画

次年度以降に海外出張を行う。

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公開日: 2018-01-16  

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