研究課題
次世代シーケンサーや高密度マイクロアレイが出力するゲノム配列の情報を用いて、ヒトの疾患に関連する変異の探索を行う情報処理システムの開発が本研究の目的である。そのために必要となる情報抽出パイプラインや変異情報データベースおよび解析アプリケーションソフトウェアを実際の大規模ヒト検体群データの解析を実施しながら設計および構築した。疾患関連の変異領域を探索する新しい解析手法の開発、および、解析用に必要となるコントロール検体群のゲノム配列の解読とデータベース化を進めた。これらの処理機能やデータが対話的かつ視覚的に統合化されたソフトウェアとデータベースの開発を行った。次世代シーケンサによる全エクソン/全ゲノム配列解析およびRNA-seq解析パイプラインを構築した。併せて、高密度マイクロアレイによるコピー数変異解析(CNV解析)パイプラインを構築した。これら解析パイプラインを活用して臨床系研究者と共同でヒト疾患を対象とした解析を実施した。また、1000ゲノムプロジェクトの日本人DNAサンプル10検体の全エクソン配列解析を行い、変異ごとに注釈付けを実施して開発/参照用の検体データとしてデータベース化を進めた。B型肝炎に関連した検体群(疾患群および対照群)の高密度マイクロアレイによるコピー数変異(CNV)の抽出を行ってデータベース化を進めた。常染色体劣性遺伝の疾患ハプロタイプ(遺伝子型の並びパタン)を探索するソフトウェア(HDR)の開発を行い、ホモ接合変異のみだけではなくヘテロ接合変異等も探索の対象に扱えるようにした。特定の遺伝子型が連続している領域を途中の短い不連続領域を許容しながら抽出するソフトウェアを開発した。検体群内での配列変異と表現型の分布の両軸に沿ってデータの階層化を行う手法を開発し、疾患との関連性をモデル化する手法の開発を引き続き行っている。
すべて 2019 2018
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件)
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