1細胞染色体DNA解析(SCG)は,微量試料の遺伝情報を解析でき,生物学や医療など幅広い応用が期待される.しかし微量の染色体DNAを解析のため酵素増幅すると,不均一に増幅され,すべての遺伝情報が得られなかった.そこで寒天の殻と液状の核をもつ,数10um径,数10 pLのアガロースゲル・マイクロカプセル(AGM)を開発した.AGMは安価な試薬や器具を用い,簡便に,1回に数10万個を作製できる.従来法では全染色体のうち約30%しか得られないが,AGM内での酵素増幅により,約90%以上を解析できた.AGMはSCGを促進し,環境中微生物の解析,がんの早期診断,および再生医療の品質向上等が期待される.
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