• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2018 年度 実績報告書

ベトナム中部がツバキ属植物の新たな起源地か?その遺伝的多様性評価と保全

研究課題

研究課題/領域番号 16K07239
研究機関大阪市立大学

研究代表者

植松 千代美  大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (30232789)

研究分担者 片山 寛則  神戸大学, 農学研究科, 准教授 (50294202)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードツバキ属植物 / 遺伝的多様性 / ベトナム
研究実績の概要

これまでの探索調査で得られたツバキ属植物のうち、25種29集団194個体について13のSSRマーカーを用いて集団遺伝学的解析を試みた。なお前年度までの結果に基づき、SSRマーカーで1サンプルに3またはそれ以上のアリルが得られた個体は倍数体と判断し、解析から除外した。その結果29集団のHoは0.341-0.764で平均0.533、Heは0.486-0.827で平均0.649と、2集団を除いてHo がHeより小さい傾向を示した。これらの値はスギやヒノキ、クヌギなどで報告されている値とほぼ同程度かやや低かったが、中国の野生梨よりは高かった。AMOVAの結果、集団間変異が37.48%、集団内の変異が62.52%で、集団間に分化が生じている事が示された。STRUCTURE解析を行い、Delta KならびにL(K)の値に基づき、K=3、4、5の場合についてバーグラフを作成すると、従来の形態形質に基づいて分類されている4亜属のうち、原始ツバキ亜属とチャ亜属には多様な想定祖先集団が関与していることが示された。一方ヒメサザンカ亜属と、C. yokdonensisを除くツバキ亜属では、K値にかかわらず想定祖先種が1種となったが、供試種数や個体数が少なかった事を反映している可能性がある。複数の種でアドミクスチャーとなっており、雑種由来と考えられた。供試194個体の相互の関係をNJ法で無根系統樹として描出すると、K値による想定祖先集団ごとのまとまりと、葉や花の形態的特徴によるまとまりに部分的に相関が見られた。相関の見られた形態形質はツバキ属植物の分類を検討する上で重要な形質と考えられる。本研究の結果、ベトナムのツバキ属植物が遺伝的に多様であることが示されたが、集団のサイズが急激に減少している自生地については集団内の遺伝子型の多様性を考慮した保全が急務と考える。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Da Lat University/VNU University of Science/Hoa Lu University(ベトナム)

    • 国名
      ベトナム
    • 外国機関名
      Da Lat University/VNU University of Science/Hoa Lu University
  • [雑誌論文] Two new species of Camellia (Theaceae) from Vietnam2018

    • 著者名/発表者名
      Lieu Thi Nguyen, Ninh Tran, Uematsu Chiyomi, Katayama Hironori, Dung Van Luong, Son Thanh Hoang, Ky Danh Nguyen, Hung Viet Nguyen, Toan Canh Thai
    • 雑誌名

      Korean Journal of Plant Taxonomy

      巻: 48 ページ: 115-122

    • DOI

      https://doi.org/10.11110/kjpt.2018.48.2.115

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] Genetic relationships among Camellia species collected from Southern Vietnam2018

    • 著者名/発表者名
      T. L. Nguyen, K. Fukuyama, H. Katayama, C. Uematsu
    • 学会等名
      日本育種学会
  • [学会発表] ツバキ属遺伝資源の評価と系統関係の解明2018

    • 著者名/発表者名
      福山敬,片山寛則,植松千代美
    • 学会等名
      日本育種学会

URL: 

公開日: 2019-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi