研究課題
1. 脱ユビキチン化酵素USP7によるASKタンパク質安定化の分子メカニズムの解明。 HCT116細胞由来のUSP7ノックアウト細胞でもASKタンパク質とCdc7タンパク質の減少とそれに伴うMCM2タンパク質のSer 53のリン酸化の消失を確認した。また、USP7の活性制御サブユニットであるGMPSのノックダウンでもASKタンパク質の減少が認められた。さらに、APC/C (Anaphase promoting complex/cyclosome)の活性制御サブユニットの1つであるCdh1タンパク質の過剰発現によるASKタンパク質の減少 (発表済み)が、野生型USP7の過剰発現によって抑えられることも見出した。また、免疫沈降法によって、ASKとUSP7の結合を 確認した。これらの結果からUSP7がAPC/C-Cdh1に拮抗してASKタンパク質の安定化に重要な役割を果たしていることが示唆された。2. AID-tagを付加したCdc7またはChk1を発現するベクター(pAID-Cdc7, pAID-Chk1)を作成した。AID-Cdc7 タンパク質、AID-Chk1タンパク質の一過性発現は確認できたが、Cdc7ノックダウン細胞、Chk1ノックダウン細胞に安定的に導入した細胞株を樹立しようと試みたが、目的の細胞株は得られなかった。3. Cdc7キナーゼによる複製フォーク安定化のメカニズム。 U2OS細胞において、hydroxyureaでDNA複製フォークの進行を阻害した状態でCdc7キナーゼの活性を阻害してときにクロマチンから脱落するタンパク質群を見いだした。4. shUSP7細胞の樹立とその解析。U2OS細胞とHeLa細胞を用いてドキシサイクリンの添加によりUSP7をノックダウンでできる細胞株を樹立した。これらの細胞株はHU(DNA複製阻害剤)に高感受性であることを見出した。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Scientific Reports
巻: 9 ページ: -
10.1038/s41598-019-54738-2