研究課題
基盤研究(C)
心筋細胞の分化過程においては様々な分化誘導因子の発現を伴うことが知られているが、それらはクロマチン上でエピジェネティックな遺伝子発現制御により厳密に制御されると予想される。本研究ではマウスES細胞の心筋分化過程において、クロマチンリモデリング因子ARIP4が分化誘導因子群の発現や分化の進行に影響を及ぼすことを明らかにした。また発生時期の胎児心臓組織においてARIP4がp62と結合することから、ARIP4のタンパク量およびクロマチンへの結合がp62により制御されていると考えられた。
分子生物学
本研究による心筋分化過程の分子レベルでの解明は、心筋再生医療の発展に大きく貢献する。このような、細胞内のエネルギー状態をモニターするエピジェネティックなプロモーター制御の分子メカニズムの解明は、細胞内エネルギー代謝の変化に関わる遺伝子発現制御機構を理解するだけでなく、代謝経路が大きく変化する癌化のメカニズム解明のための極めて重要な手掛かりとなると考えられる。