熱ショック転写因子1(HSF1)は足場タンパク質PARP13を介してPARP1と相互作用することが分かった。HSF1-PARP13-PARP1複合体形成の阻害は、DNA損傷ストレス後のPARP1のDNA損傷部位への再分布およびDNA修復の低下を引き起こした。さらに、この複合体は細胞をDNA損傷ストレスから保護するために必要であった。PARP阻害剤に感受性であるBRCA1欠損乳腺腫瘍細胞は複合体形成の阻害により細胞増殖とマウスでの腫瘍形成が抑制された。よって、HSF1はがん細胞のゲノムDNAの安定性に関与し、HSF1-PARP複合体の阻害がBRCA1欠損乳腺腫瘍形成の抑制に働くことが示唆された。
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